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日医役員選挙「14年ぶり無投票で横倉氏が再選 - 副会長も現職の中川・今村・松原3氏が当選」

No.4706 (2014年07月05日発行) P.9

登録日: 2014-07-05

最終更新日: 2016-11-16

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【概要】日医役員選挙が6月28日に行われ、会長には7期14年ぶりの無投票で現職の横倉義武氏が当選した。副会長にも現職3氏が当選、横倉執行部の2期目がスタートした。

第132回日本医師会定例代議員会が6月28日に開かれ、役員選挙の結果、会長選は現職の横倉義武氏(福岡)が無投票で再選を果たした。一方、定数3に対し4人が立候補した副会長選は、現職の中川俊男(北海道)、今村聡(東京)、松原謙二(大阪)の各氏が当選。奈良県医師会長の塩見俊次氏は落選した。副会長選の各候補者の得票数は、中川氏334票、今村氏324票、松原氏297票、塩見氏75票で、有効投票数1074票のうち白票は44票だった。
今回の役員選挙は、副会長選を除き、会長、常任理事、理事は無投票で、会長の無投票再選は7期14年ぶり(今回新たに就任した常任理事のプロフィールは11頁)。定数15の理事のうち、広く意見を求めるため、勤務医と女性医師の枠が1枠ずつ新設された。

●「政策への対応は是々非々で判断」
代議員会後の会見で横倉会長は、(1)組織強化、(2)地域医療を支える,(3)将来の医療を考える─という方針を掲げた。(1)については、郡市区医師会会員(約20万人)全員が日医会員(約16万5000人)となるべく働きかけ、組織率向上を図ると説明。(2)については、地域包括ケアの中心となるかかりつけ医の教育や研修で、日医が主導的役割を果たす方針を示した。(3)については、生涯保健事業の推進など時代に即した改革を進め、国民皆保険を堅持するとした。
一方、医療を“岩盤”規制に位置づける政府が打ち出す政策に対しては、「国民の安全な医療に資する政策か、公的医療保険による国民皆保険が堅持できる政策か、これら2つを政策の判断基準として、是々非々の態度で臨んでいく」とした。また、安倍政権との向き合い方について問われると、「社会保障である医療の一翼を担う我々としては、政権と完全に敵対することはあり得ない」とした上で、「国民の健康を守るためには必要なことは必要だと持続的に訴え、理解を求めていく」との方針を示した。

●中川副会長「攻勢と引き続き戦う」
会見では副会長各氏も就任の抱負を述べ、今村副会長は、「組織強化、特に医学生や勤務医の支援に力を入れていく。税制では、消費税率が10%になれば、医療に大変な影響を与えるため、対応に全力を挙げて取り組んでいく」と決意を表明。
中川副会長は、直近の課題に「地域医療ビジョン」「2025年に向けた医療提供体制の構築」「地域包括ケアシステムの確立」を挙げた。政府の新成長戦略の目玉に盛り込まれた「患者申出療養」(仮称)については、「程よいところに決着した」とした上で、政府の進める規制改革に対し、「攻勢と引き続き戦っていく」との構えを見せた。

【記者の眼】「今の日医は地方の意見が通りにくい雰囲気がある」として副会長選に立候補した塩見氏は75票を獲得。白票44票と合わせ有効投票数の約1割を占めた。横倉会長と安倍政権の“協調路線”に一定数の批判票が集まる形になったと言えそうだ。(T)

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