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■NEWS 高額療養費制度の見直し、全面凍結を鹿沼保険局長が謝罪―社保審・医療保険部会

登録日: 2025-04-07

最終更新日: 2025-04-07

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厚生労働省の鹿沼均保険局長は4月3日の社会保障審議会医療保険部会で、高額療養費制度見直しの全面凍結について、「政府として検討プロセスに丁寧さを欠いたという指摘を重く受け止め、医療保険部会の運営を担う責任者として、医療保険制度の見直しに関する厚生労働省の事務方の責任者として心からお詫びを申し上げる」と謝罪した。

高額療養費制度の見直しについては、医療保険部会での約1カ月程度の議論を経て、2025年の予算編成過程における大臣折衝で、25年8月からの自己負担限度額等の段階的引き上げが決まったが、議論開始から結論に至るまでの期間が極めて短かったことや、がん患者などの長期療養者の負担増が懸念されることなどから患者団体が見直しに強く反発。2回にわたって修正が検討されたものの調整が難航し、石破茂首相が3月上旬に見直しの凍結や今秋を目途に改めて対応策を検討・決定する方針を表明した経緯がある。

部会では佐藤康弘保険課長が今後の進め方について、「部会長ともよくご相談した上で、患者団体の皆様からのご意見の聞き方や出来る限りのデータをご用意するという点にも留意しながらご議論いただける環境を作っていきたい」と述べた。

委員からも議論を尽くせなかったことなどに対する反省の弁があったが、健康保険組合連合会会長代理の佐野雅宏委員は「現役世代の負担軽減などの観点から高額療養費制度の見直しは避けては通れない問題だ」とし、社会保障制度全般のあり方も含めた議論を進めるよう要請。日本医師会常任理事である城守国斗委員は「制度の持続可能性を確保するためには、高額療養費制度の見直しといった個別課題の議論の前に、医療財源そのものの議論が必要だ」との認識を示した。

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