熱中症とは,高温多湿な環境に長時間いることで,体温調節機能が正常に働かなくなり,体温が上昇して起こる。主たる病態は脱水と臓器障害である。
日本救急医学会は熱中症をⅠ~Ⅲ度に分類している(図1)1)①意識障害(痙攣も合併することがある),小脳症状,②腎機能障害・肝機能障害,③血液凝固異常,のうちいずれか1つを認めればⅢ度とする。
腋窩での体温測定は高体温を見逃すことがあり,深部体温を測定することが望ましい。
脱水の徴候は,手が冷たい,舌の乾燥,皮膚をつまんで3秒以上戻らない,CRT遅延,尿量減少,濃縮尿等があり,これらを確認して早期発見に努める。
応急処置は“FIRE”のE→R→I→Fの順で対応する。すなわち,E(emergency,緊急事態の認識):ABCDE(airway, breathing,circulation,dysfunction of CNS,exposure and environmental control)アプローチを行う,R(rest,安静):直射日光を避け,風通しの良い低温の環境に移動する,I(ice,冷却):全身にぬるま湯をかけて,あおぐ(気化熱を用いる),F(fluid,水分・塩分の補給):発汗のスピードが速いほど汗のNa濃度は上昇し,注意が必要である。図22)に診察の手順を示す。
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