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人生いろいろ同窓会 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(74)]

No.4778 (2015年11月21日発行) P.75

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-08

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  • 大学の同期会も楽しいけれど、医学部だから、いかんせん同業者がほとんどなのでどうしても同じような話になる。それに比べると、高校の同窓会は面白い。

    5年おきの開催で、今回は卒後40年目。400名あまりの卒業生のうち出席するのは毎回おおよそ3分の1くらいだから悪くない。たった3年間、同じ高校に通ったというだけなのに、この連帯感は何なんだろう。

    多感な時期の仲間というのはそういうものなのだろうか。何かに行き詰まった時は、高校時代の友人に相談するのが一番いいと読んだことがある。高校の同窓会に出るたびに、なんとなくそんな気がする。

    みんなあんまり変わってないなぁ、成長してるんは俺だけとちゃうんか、と思う。しかし、不本意ながら「仲野は変わらんなぁ、髪の毛以外は」と言われたりする。ほっといてくれ…。自分が正しいのか友人たちが正しいのか、永遠の謎である。

    20年前、40歳を前にした時の同窓会は、みんなが坂を登っているような感じがした。今は、企業や役所で大出世を遂げ、まだ上を目指しているのもいれば、すでに退職して悠々自適の奴もいる。歳をとるほど、人生の振幅は大きくなるようだ。そして、どういう振れ方が幸せなのかはわからない。

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