能登半島地震は被害の爪痕が依然として大きく残る一方、被災地に対して医療、福祉などの分野で多様な支援が続いている。
厚生労働省が1月19日8時40分現在でまとめたところによると(第42報)、断水している戸数は石川県内の8市町で約5万190戸に上っている。医療機関においても、石川県内の10医療機関で水・医療ガス使用不可の状態が続いている。
医療支援活動の状況をみると、DMATが166隊、DPAT(災害派遣精神医療チーム)が34隊、DHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)が9チーム活動中。このほかJMAT(日本医師会災害医療チーム)の34隊をはじめ、日本看護協会、国立病院機構、日赤救護班、JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)、DWAT(災害福祉支援チーム)など関係団体による救援活動が続いている。
厚労省はまた社会福祉施設に対する介護職員、生活支援員などの派遣も全国に要請し、約1800人が登録。これまでに被災地の社会福祉施設に11人、1.5次避難所へ89人を派遣し、今後50~60人を派遣予定としている。
日本医師会の細川秀一常任理事は1月17日の会見で、穴水町、志賀町を中心にJMATを派遣していることを紹介した上で、「これらの地域では災害急性期から亜急性期に移行しつつあり、今後JMATの必要性はさらに高まってくる」との見通しを示した。
さらに今回の医療支援の特徴として、DMAT隊員がJMATとして活動する例が多いことを挙げ、今後はこれらのチームを「重装JMAT」として位置づけ、能登町、輪島市、珠洲市に出動してもらい、本格的なJMAT活動の足がかりにしてもらう考えを示した。
また、能登北部の被災者が石川県南部の1.5次避難所、2次避難所に避難し始めていることから、1月15日以降、これらの避難所でもJMAT活動を始めたことを報告した。