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口腔粘膜炎(薬物性・ウイルス性・その他)[私の治療]

No.5210 (2024年03月02日発行) P.41

平賀智豊 (東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座)

登録日: 2024-03-04

最終更新日: 2024-02-27

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  • 口腔の粘膜に生じる炎症,潰瘍といった粘膜の病変であり,原因は様々である。抗癌剤などの化学療法に伴うものや放射線治療に伴うもの,消炎鎮痛薬,抗菌薬,抗痙攣薬,感染症(マイコプラズマ,ヘルペス属ウイルスなど)が誘因となるもの,移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)が誘因となるものなど,原因や臨床症状により分類されている。

    ▶診断のポイント

    視診と触診により臨床症状を的確に判断することが重要である。臨床症状と問診により発症原因を追求し,必要に応じて血液検査,ウイルス検査,病理組織学的検査(生検),細胞診などを行って診断する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    原因が明らかであれば,誘因の除去を初めに行うのが基本である。化学療法など主疾患の治療の優先度が高い場合は,免疫不全および易感染性に伴う口腔カンジダ症等の二次感染に留意し,副腎皮質ステロイド外用薬や抗炎症作用成分を含有したうがい薬,ハイドロゲル創傷被覆・保護材を使用した対症療法を行う。一方で,ウイルス感染であれば抗ウイルス薬,真菌感染症であれば抗真菌薬,アレルギーや自己免疫が誘因であれば副腎皮質ステロイドを用いるのが一般的である。症状に応じて局所麻酔薬含有の含嗽薬や鎮痛薬,栄養や水分管理,二次感染予防で消毒薬による含嗽や抗菌薬の投与を検討する。

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