舌の表面に大小様々な白色の肥厚した部分と紅斑を生じる角化異常性病変であり,原因は不明である。ストレス,ビタミン欠乏,遺伝などの関与が考えられている。病変部の糸状乳頭は消失しており,病変の位置や形態が1~数日で変わる。若い女性や小児にみられることが多い。
通常は無症状である。
自覚症状がない場合,治療は不要である。疼痛や味覚異常を訴える場合は,含嗽薬や副腎皮質ステロイド口腔用軟膏による対症療法や,ビタミンの不足がある場合はビタミンの内服を検討する。
一手目 :アズノールⓇうがい液4%(アズレンスルホン酸ナトリウム水和物)1回4~6mg〔1回押し切り分または5~7滴を適量(約100mL)の水または微温湯に溶解〕1日数回(含嗽)
二手目 :〈接触痛がある場合,一手目に追加〉オルテクサーⓇ 口腔用軟膏0.1%(トリアムシノロンアセトニド)適量を1日1~数回(塗布)
三手目 :〈ビタミンB群欠乏による場合,二手目に追加〉ビフロキシンⓇ配合錠(リボフラビン・ピリドキシン塩酸塩)1回1~2錠1日1~3回(食後)
食物がしみる場合は刺激物を避け,口腔内を清潔に保つよう指導する。アルコール含有のうがい液も刺激となる場合があるため,非刺激性のうがい液や歯磨剤を使用するよう指導する。
舌の表面に多数の溝を認める形態異常で,先天性と後天性のものがある。後天性は舌炎,外傷,ビタミン欠乏が原因と考えられている。通常は無症状で,加齢とともに増加する。
典型例では,舌背中央部を前後に走る深い正中裂溝と側方に小裂溝を認める。しばしば地図状舌に併発する。
自覚症状がない場合,治療は不要である。溝の深部の食物残渣や舌苔が停滞すると感染を起こす可能性があるので,舌ブラシによる舌背の清掃を指導する。
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