厚生労働省は2024年10月から始まる長期収載品の選定療養化の対象医薬品について、4月19日付で事務連絡を発出した。対象医薬品の考え方を示すとともに、対象医薬品のリストを公表した。
後発医薬品の使用を促進する観点から、24年度診療報酬改定では長期収載品の使用を選定療養化し、長期収載品の薬価と後発医薬品の最高価格帯との価格差の1/4に相当する額を患者から追加負担として徴収することが決まっている。
事務連絡は対象医薬品の考え方について、(1)後発医薬品のある先発医薬品(いわゆる「準先発品」を含む)であること、(2)組成・剤型区分が後発医薬品と同一であって、後発医薬品が初めて薬価基準に収載されてから5年を経過している(後発医薬品への置き換え率が1%未満のものは除く)、または、5年は経過していないが後発医薬品への置き換え率が50%以上の品目、(3)長期収載品の薬価が後発医薬品のうち最も薬価が高いものの薬価を超えている―をすべて満たすものが該当すると説明。詳細については関係告示や留意事項通知の内容を参照するように求めた。
関係告示等では、選定療養の対象となる長期医薬品を処方・調剤する場合であっても、①医療上必要があると認められる場合、②在庫がないなどの理由で医療機関や薬局において後発医薬品の提供が困難な場合、③長期収載品の薬価が後発医薬品の薬価を下回る場合―のいずれかに該当する場合は、通常通り保険給付の対象となることを明記。これに伴い、処方箋様式も、現行の「変更不可」欄を「変更不可(医療上必要)」欄に改め、医師が医療上必要と判断して長期収載品を銘柄名処方した場合はこの欄にチェックを入れるなどの見直しを行うことになっている。
なお、事務連絡に添付された対象医薬品全1095品目のリストは厚労省ホームページでも確認できる。