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自治体保健師との関わり―保健師と連携した地域へのアプローチ[プライマリ・ケアの理論と実践(198)]

No.5228 (2024年07月06日発行) P.12

三浦太郎 (富山市まちなか診療所管理者)

登録日: 2024-07-04

最終更新日: 2024-07-03

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SUMMARY
自治体の保健師は地域をフィールドに疾病予防や健康増進活動に取り組んでいる。プライマリ・ケア医とは活動するフィールドが近く,協働によるシナジー効果が期待できると思われる。自治体独特の癖を理解し,様々な地域で保健師との協働が生まれることを期待する。

KEYWORD
保健師が行う地区活動
地域の健康格差を縮小させながら,健康水準の向上をもたらすために,一人ひとりの健康問題を地域社会の健康問題と切り離さずにとらえ,個人や環境,地域全体に働きかけ,個別はもちろん,地域の動きをつくり出す活動である(平成20年度地域保健総合推進事業)。


三浦太郎(富山市まちなか診療所管理者)

PROFILE
地域医療振興協会で家庭医療後期研修を行いつつ,地方における医療の公(おおやけ)の役割を学び,現在は日本で唯一の公設公営の在宅専門診療所で在宅医療における公の役割を実践している。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医,日本在宅医学会認定専門医。

POLICY・座右の銘
おもしろき こともなき世を おもしろく

1 保健師と近い診療所

私が勤務をしている富山市まちなか診療所は,「地域包括ケア」や「健康まちづくり」の拠点となる公共施設「富山市まちなか総合ケアセンター」内に設置された機能強化型在宅療養支援診療所であり,在宅医療の振興を目的としている。医療的・地理的・社会的に民間診療所では受け入れ困難な患者を主に診療し,民間診療所の医師が出動困難な日に往診代行を請け負っている。また,在宅医療に関する出前講座や,研修医・看護師・ケアマネジャーの実習も受け入れている。

同センターには,健康まちづくり推進事業や在宅医療・介護連携推進事業を行う「医療介護連携室」があり,その一員として保健師等とともに活動をしている。当診療所は市の福祉保健部に所属しており,各部署の事業で医師の助けが必要な際に参画している。

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