政府は7月29日の閣議で2025年度予算の概算要求基準を了解した。年金・医療などの社会保障費では高齢化等に伴ういわゆる自然増として前年度当初予算に4100億円を加算した範囲内での要求を認める。ただし、当該増加分について、「制度改革の着実な実行などを含む合理化・効率化に最大限取り組み、その結果を25年度予算に反映させる」とも記載し、自然増の圧縮に努める姿勢を明示した。
24年度予算編成においても、概算要求時には5200億円とされていた自然増が、薬価および材料価格の引き下げ、生活習慣病等における管理料や処方箋料の適正化などにより、最終的には3700億円にまで縮減された。
25年度予算では、持続的・構造的賃上げの実現、少子化対策・こども政策の抜本的強化などの重要政策課題に対応するための「重要政策推進枠」を設定。裁量的経費(政策によって柔軟に増減できる経費)を1割削減することを条件に、削減額の3倍の額までの要求を認める。人件費などの義務的経費を削減した場合も、削減額の3倍の額までの要求を推進枠で行うことを可能とする。
物価高騰対策や賃上げ促進環境整備対応などでも「重要政策推進枠」を活用した要求や、金額を明示しない事項のみでの要求を認め、年末の予算編成過程において「骨太の方針2024」で示された方針を踏まえ措置するとした。各省庁からの概算要求の提出期限は8月末日。