2024年は北里柴三郎イヤーですので、今回は北里柴三郎先生の血清療法に関連してヤマカガシ咬傷についてお話しします。
ヤマカガシ抗毒素の問題点については情報が非常に限られていますので、ChatGPTがどこまで正確性があるのか、どこまで信用していいのか、1つの指標として調べてみたいと思います。
プロンプト:ヤマカガシ抗毒素の問題点について指摘して下さい。
ChatGPTの回答:ヤマカガシ(Rhabdophis tigrinus)の抗毒素にはいくつかの問題点があります。以下に主な問題点を挙げます。
1. 供給量の不足:ヤマカガシの咬傷は稀であり、そのため抗毒素の需要も少ないです。そのため、抗毒素の製造量が限られており、十分な供給が難しいことがあります。また、抗毒素は一度製造されても長期間保存が難しいため、常に新たな供給が必要です。
2. 入手の難しさ:抗毒素の供給が限られているため、医療機関での備蓄が少なく、必要なときにすぐに入手できない場合があります。特に地方や離島などの医療機関では、抗毒素が入手できないことがあります。
3. 副作用のリスク:抗毒素は馬などの動物の血清からつくられることが多く、これに対するアレルギー反応や副作用のリスクがあります。重篤なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こす可能性があるため、投与には慎重な管理が必要です。
4. 治療のタイミング:ヤマカガシの毒は出血性であり、咬傷後しばらく経ってから症状が現れることがあります。適切な治療のためには、症状が出る前に抗毒素を投与する必要がありますが、毒の影響が遅れて現れるため、治療のタイミングが難しい場合があります。
5. 抗毒素の効果:ヤマカガシの毒には出血毒と神経毒の両方が含まれており、抗毒素がすべての毒成分に対して完全に効果があるわけではありません。場合によっては、症状の改善が不十分なことがあります。
これらの問題点から、ヤマカガシの咬傷に対する迅速かつ適切な対応が求められますが、現状では課題が多い状況です。
著者の答え(答え合わせ):
1. ×:ヤマカガシ抗毒素は2000年に1500バイアル以上が試験製造され、2024年現在まで安全性・力価とも問題ありません。供給量も十分です。
2. ○
3. ○
4. ×:「症状が出る前に抗毒素を投与する必要があります」→「症状出現後でも効果が十分期待されます」です。
5. ×:「ヤマカガシの毒には出血毒と神経毒の両方」→「出血毒のみ」です。
点数:40点(100点満点計算、1問20点として)です。
今回の答え合わせをすべてに一般化してよいかどうかはわかりませんが、ChatGPTを利用する場合には、コイントス以上の確率で起こりうる不確かさを自分で修正できる状態であれば有効に利用できそうですね。
一二三 亨(聖路加国際病院救急科医長)[血清療法]