日本医師会は9月18日に定例会見を開き、2024年度診療報酬改定で新設された「ベースアップ評価料」について、厚生労働省が届け出様式を簡素化したことを受け、改めて積極的な算定を呼びかけた。
ベースアップ評価料は、看護職員や病院薬剤師など医療関係職種の賃上げに向けた原資として創設。外来医療や在宅医療を実施している医療機関(医科)が対象の「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」は、1日につき初診時:6点、再診時:2点、同一建物居住者以外に訪問診療を行った場合:28点、同一建物居住者に訪問診療を行った場合:7点をそれぞれ算定できる。しかし、手続きの煩雑さなどから特に診療所の届け出数が低調なため、日医が厚労省と協議を重ねてきた。厚労省は11日付の事務連絡で届け出様式の簡素化を周知、同評価料に関するホームページの内容も刷新した。
同評価料の届け出状況は、病院は8~9割に達しているが、無床診療所では2割程度にとどまるとの報告がある。こうした状況を踏まえ、医療保険担当の長島常任理事は届け出数が増えない理由について、手続きの煩雑さに加え、「持ち出しで賃上げをする必要があるのではとの懸念もある」と指摘。医療機関は目標値を達成できなくても持ち出しをする必要はなく、同評価料で算定した金額の範囲で賃上げを実施すればよいことを説明し、「できるだけ多くの医療機関に算定してほしい」と改めて訴えた。
厚労省ベースアップ評価料特設ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html