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プリオン病[私の治療]

No.5249 (2024年11月30日発行) P.42

髙尾昌樹 (国立精神・神経医療研究センター特命副院長/臨床検査部・総合内科部長)

登録日: 2024-12-02

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  • 不溶性プリオン蛋白が脳内に沈着し発症する。100万人に1人程度の発症率で致死性疾患である。病型として孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病が多い。プリオン蛋白質遺伝子変異による遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病,ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病,致死性家族性不眠症もある。体外からのプリオンの感染により発症する硬膜移植関連のプリオン病や牛海綿状脳症(BSE)と関連する変異型クロイツフェルト・ヤコブ病もある。クロイツフェルト・ヤコブ病は,進行性の認知機能低下,錐体路・錐体外路症候,運動失調,ミオクローヌス,意識障害がきわめて短期間で進行し,数カ月で無動無言から死に至る。時に1年ほどかけて進行する例もある。ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病などは脊髄小脳変性症に類似する症候を呈する。

    ▶診断のポイント

    急速進行性の認知機能低下を呈する場合はプリオン病を鑑別疾患に入れる。クロイツフェルト・ヤコブ病では,頭部MRI拡散強調画像で大脳皮質・基底核の高信号(ADC低値)を認める。脳波で周期性同期性放電(PSD),脳脊髄液の14-3-3蛋白やタウ蛋白の増加,RT-QuIC法による疾患関連プリオン蛋白質の検出も有用である。脳組織の生検も有用であるが,脳組織自体はプリオン病の感染性(伝達性)を有する点に注意を要する1)

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