中央社会保険医療協議会総会(森田朗会長)は8日、2016年度診療報酬改定に向け、外来医療を巡る議論を開始した。
会合では、厚生労働省が外来医療の現状を説明。外来の機能分化が進んだことにより大病院の「紹介状なし」外来受診者数が減少していることや勤務医の負担が軽減していることなどを報告した。
論点には、(1)外来の機能分化・連携を推進する方策、(2)重複投薬や残薬を減らす方策、(3)主治医機能の強化を含め外来診療の質の向上を図る方策─が挙げられた。
これを受け、鈴木邦彦委員(日医)は「全体として機能分化は進みつつあるが、まだ大病院でも再診が多いなど、大病院の対応は不十分」と指摘。また医療者の処遇改善や、設備費用などのコスト上昇に対応するため、初再診料のさらなる充実が不可欠と訴えた。
一方、白川修二委員(健保連)は、厚労省の示した論点について「問題認識は同じ」とした上で、機能分化の推について、今国会に法案が提出されている大病院で紹介状がない場合の定額負担導入だけでなく、さまざまな方策を検討する必要があると指摘した。