政府は7月24日の閣議で、2016年度予算の概算要求基準を了解した。高齢化等に伴う社会保障費の「自然増」は、15年度予算の30兆2000億円から約6700億円増の範囲に収めるよう求めた。
公的分野の産業化やインセンティブ改革など、歳出抑制効果が見込まれる施策には、最大4兆円程度の別枠を用意する。
政府は財政健全化に向け、6月に策定した「骨太の方針2015」で、社会保障費の伸びを今後3年間で計1兆5000億円程度とする「目安」を示している。
閣議了解に先立つ23日の経済財政諮問会議では、甘利明経済再生担当相が、健康増進・予防サービス分野の歳出抑制に効果のあった自治体などの「優良事例」を全国展開するため、省庁横断の政府側窓口を設置する方針を表明。
これについて安倍晋三首相は、「歳出抑制につながる制度改革の推進に、各府省で知恵を競ってほしい」と要請した。