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多剤大量処方への減算効果は限定的 [医療経済研究機構]

No.4766 (2015年08月29日発行) P.9

登録日: 2015-08-29

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医療経済研究機構は21日、2012年度と14年度の診療報酬改定で設けられた抗不安薬と睡眠薬の高用量・多剤処方への減算規定に関して、減算効果が「限定的」だったとの分析結果を発表した。
この結果は、奥村泰之主任研究員らが、2011年4月~14年11月に精神科と心療内科で交付された処方箋延べ110万2575枚分について分析したもの。
抗不安薬や睡眠薬の大部分を占めるベンゾジアゼピン(BZ)受容体作動薬33剤の処方状況を調べたところ、1回の処方量が最高臨床推奨用量(ジアゼパム換算)を超えた患者の割合は約19.1%に上り、うち2.1%は3倍以上の量を処方されていた。また、BZ受容体作動薬が5剤以上となる多剤処方割合は改定を機に減少に転じたが、2~4剤の処方割合では改定後も減少傾向はみられなかった。
研究では、BZ受容体作動薬の適正使用の促進には、減算規定などの規制だけでなく、「高用量・多剤処方の発生予防と減薬法への支援が必要」と指摘している。

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