安倍晋三首相は6日、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定について、交渉参加12カ国が大筋合意したことを受け会見を開いた。「新しいアジア・太平洋の世紀。いよいよその幕開けだ」と述べ、世界のGDPの約4割を占める巨大経済圏誕生の成果を強調した。
TPPは関税撤廃にとどまらず、知的財産など非関税分野の規制緩和を含む包括的な協定。様々な角度から日本医療の規制緩和に切り込める可能性があるとして、医療関係者の間では国民皆保険制度を形骸化するとの懸念があった。
安倍首相は日本の参加から2年以上にわたるTPP交渉を振り返り、政府の姿勢を「攻めるべきは攻め、守るべきは守る」と表現。農産5品目と並ぶ国益に位置づけた国民皆保険制度については、「堅持する」と改めて強調した。
交渉が難航したバイオ医薬品の開発データの保護期間を巡っては、世界的製薬企業を抱える米国が12年を求める一方、豪州を中心とする新興国は5年を譲らず、最終的には実質8年で決着した。