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医師・薬局のかかりつけ機能を評価 - 2016年度診療報酬改定の基本方針 [社会保障審議会医療部会・医療保険部会]

No.4781 (2015年12月12日発行) P.7

登録日: 2015-12-12

最終更新日: 2016-11-25

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(概要) 2016年度診療報酬改定の基本方針がまとまった。医師や薬局のかかりつけ機能を評価する。一方、引下げの対象となるのは門前薬局など調剤関連が中心だ。


厚生労働省は2日の医療保険部会、4日の医療部会に2016年度診療報酬改定の基本方針案を提示し、大筋で了承された。7日に正式に決定した。

●複数慢性疾患への継続的対応を評価
基本方針は(1)改定の基本認識、(2)重点課題、(3)医療費の効率化・適正化、(4)重点的な対応が求められる分野─など6項目から構成。
(1)の改定の基本認識では、超高齢社会に向け「治す医療」から「治し、支える医療」への転換と、健康寿命を延伸するための予防・健康づくりが必要との考え方を提示している。
(2)の重点課題とされたのが「地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携」。
地域包括ケアについて具体的に打ち出されたのが、複数の慢性疾患を抱える患者に療養上の指導や服薬管理、健康管理を継続的に行うかかりつけ医の機能を評価する方針だ。服薬情報の一元的な把握に基づいて薬学管理・指導を行うかかりつけ薬剤師・薬局の機能も評価するとした。
質の高い在宅医療の提供体制の確保や、医療介護連携など多職種連携の強化も盛り込まれた。
2014年度改定の基本方針の重点課題では病床の機能分化が大きく取り上げられていたのに対し、今回は「急性期、回復期、慢性期など医療機能の分化・強化、連携を促進」「大病院と中小病院・診療所の機能分化を進める」との記載に留まっている。

●門前薬局の評価引下げ
一方、(3)の医療費の効率化・適正化の対象とされたのは「調剤報酬の見直し」「残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬の削減」「後発品の使用促進」など、6項目中4項目を調剤関連が占める。
調剤報酬は、かかりつけ薬剤師・薬局を評価する一方、いわゆる門前薬局の評価を引き下げる。
議論の焦点だった長期投薬に関する文言は、「残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬の削減を推進」とする案を厚労省が提示。医療部会では了承され、医療保険部会では部会長預かりとなったが、最終的に厚労省案でまとまった。
後発品については、骨太の方針2015の目標値「2020年度末までに数量シェア80%以上」の実現に向けた取り組みや、価格算定ルールの見直し、長期収載品の価格引下げルール要件の見直しを列挙。
調剤関連以外では、退院支援による在宅復帰の推進や、重症化予防が盛り込まれた。
(4)の重点的な対応が求められる分野には、今年から新たな制度が始まった「難病医療」が加わった。前回の基本方針から引き続き重点分野とされているのは「がん医療」「認知症医療」「精神科医療」「小児医療、周産期医療、救急医療」など。「手術等の医療技術の適切な評価」は姿を消した。

【記者の眼】医療保険部会では長期投薬を巡り、厚労省案を支持する医療者側の委員と認めない支払い側の委員との溝が埋まらなかった。(K)

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