【Q】
消費税率を10%に引き上げる際,たとえば生鮮食品を8%のままインボイス方式を当面見送った場合,税収が減少し事業者の利益が膨らむとの試算があります。また,今までの消費税制度でも簡易課税制度や免税制度などで消費者の支払い金が事業者の手元にとどまることがあります。【A】
ご質問のような消費税率の引き上げが行われた場合,減収ではなくむしろ国や地方団体は増収が図れます。その増収の目的で政策的に消費税率の引き上げが行われます。ただし,消費税率の引き上げは,買い控えを一時期的に生じさせる現象も起こりうるため,短期的には減収も生じる可能性があります。消費税率の引き上げは,単純に最終消費者としての立場の事業者を圧迫し,むしろ利益を減少させる可能性があります。
▼ 森田純弘:法人税・消費税と資金繰り. 大蔵財務協会, 2010.
▼ 森田純弘:パターン別 消費税の仕入税額控除の有利・不利. 大蔵財務協会, 2010.