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懲戒処分は難しい？［〈知っておきたい〉医療機関の法的リスクヘッジ（16）］
key word：非違行為，懲戒処分，就業規則
今回は，よくご質問を頂く懲戒処分について解説していきたいと思います。従業員に非違行為（就業規則などの服務規定に違反する行為）があった場合，適切に懲戒処分を行い，秩序を維持する必要があります。
一方で，懲戒処分が無効であると判断されている裁判例も少なくありません。労働契約法は懲戒処分について以下のように規定しているためです。
労働契約法第15条（懲戒）
使用者が労働者を懲戒することができる場合において，当該懲戒が，当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして，客観的に合理的な理由を欠き，社会通念上相当であると認められない場合は，その権利を濫用したものとして，当該懲戒は，無効とする。
特に懲戒解雇は日本独特の制度であり，懲戒解雇が無効と判断されている裁判例は多く存在します。
企業秩序を維持するために行った懲戒処分が原因で訴訟に巻き込まれ，結果として「懲戒処分が無効」と裁判所に判断されてしまっては本末転倒です。懲戒処分を行う場合に注意すべき点について解説したいと思います。
