先日,関東信越厚生局が千葉県の病院に対して「保険医療機関の指定取消」という処分を行ったとの報道がありました。診療所に対する同様の処分は多いものの,病院が処分を受ける事例はそれほど多くはありません。
通常,誤った診療報酬の請求が発覚した場合,厚生局は診療報酬の返還を求めるものの,病院の保険医療機関の指定までは取り消さないケースが大半だと考えられます。なぜなら,病院の「保険医療機関の指定」が取り消されると,入院患者を含め多くの患者に大きな影響が生じ,保険診療ができなくなるうえに,病院経営にも重大な打撃を与えるからです。厚生局も,このような状況を考慮し,悪質な場合を除いて処分を慎重に行ってきたのではないでしょうか。