2040年に「消滅可能性」のある自治体は全国1800のうち約半数の896─。増田寛也元総務相が座長を務める民間有識者会議「日本創成会議」から、20~30代の女性人口減少に着目したレポートが発表されたのは昨年5月のこと。同会議は6月4日、第2弾となる「東京圏高齢化危機回避戦略」を発表した。
提言は、急激な高齢化により東京圏の医療・介護が不足するため、高齢者の移住促進の必要性を指摘。全国の二次医療圏から医療・介護体制が充実している41圏域を「おススメ移住先」として抽出している。提言は新聞やテレビなどでも大きく報道されたが、医療関係者に注目してもらいたいのは、高橋泰氏(国際医療福祉大院教授)が作成した「二次医療圏ごとの医療・介護余力」を評価したレポートだ。
今回のレポートは、高橋氏が作成した、①1人当たり急性期医療密度、②1人当たり慢性期医療密度、③介護ベッド準備率―という指標に基づき、全国344の二次医療圏ごとの医療・介護提供能力の余力を評価したもの。①と②は全国平均が1.0でそれ以上なら充実、以下なら不足傾向にあることを示す(算出法は下図参照)。③は2040年の高齢者増加を推計した上で2015年現在の全国平均介護ベッド数との乖離を測定している。上表は東京圏の主な二次医療圏の各指標の数値だ。
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