厚生労働省は3月25日、介護サービスにおける新型コロナウイルス感染症関連の特例の2025年4月1日以降の取り扱いについて、都道府県などに事務連絡した。この中で、介護老人保健施設がクラスターの発生などにより入退所を一時停止した場合の特例を25年4月1日から27年3月31日まで2年間継続することを示した。
老健の評価体系は、在宅復帰率が高いほど高い基本報酬を算定できる設計となっており、仮に入退所の停止で在宅復帰率が低下すれば安定した経営の維持が困難になる恐れがある。そこで特例では、老健の入所者や職員が新型コロナに感染し、感染拡大防止のために入退所を一時停止した場合については、基本施設サービス費と「在宅復帰・在宅療養支援機能加算」の施設基準において、「算定日が属する月の前6月間」等の指標の算出に使用する月数から、当該期間を含む月を除外することを認めている。
特例の期限は当初25年3月末までとされていたが、厚労省は24年度中も多くの老健でクラスターが発生したことや、廃止した場合の影響の大きさを考慮し、次期介護報酬改定まで2年間の存続を決めた。27年4月以降の取り扱いは、改めて社会保障審議会介護給付費分科会で議論する。
一方、ユニットリーダー研修における実地研修の受講を猶予する特例は、未受講者がおおむね解消したことから25年3月末で終了することになった。