No.4827 (2016年10月29日発行) P.76
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2016-10-29
最終更新日: 2016-10-25
歳をとるにつれ、衰えを感じることが多い。なかでもいちばん気になっているのは集中力だ。ある本に、仕事の能率を上げるための「ポモドーロテクニック」なるものが紹介されていた。非常に単純で、25分間仕事に集中して5分間休憩、を1クールにする。それを4回やって2~30分程度の大休止をとる、というだけのことだ。
基本コンセプトは、短時間の集中と休息を繰り返す、というところにある。しかしそれ以上に、25分間はメールなど他のことには絶対に手を出さないようにする、というのがミソだ。何を見てもマルチタスクは能率低下の元と書いてある。しかし、ついつい、というのは私だけではないだろう。
なにごとも物は試しとやってみた。なかなかよろしい。25分では短すぎるのではないかという気がしたのだが、集中すると相当な量の仕事をこなせることがわかる。それに、小さな目標を25分で仕上げてしまおうというドライビングフォースもかかる。
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