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乳癌に対する診断アルゴリズム

No.4742 (2015年03月14日発行) P.46

池田 正 (帝京大学外科主任教授)

登録日: 2015-03-14

最終更新日: 2016-10-26

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乳癌の診断方法も最近は様変わりしている。以前は腫瘤があって,画像的に乳癌であれば手術を行っていたが,現在の診断は,まずマンモグラフィー(MMG)と乳房エコーで,乳癌が疑われれば針生検により組織学的確定診断する。がんと診断されればエストロゲン受容体,プロゲステロン受容体,Her2受容体,Ki-67などの染色を行い,サブタイプ分類を行うのが当たり前になってきた。最近では集団検診において,MMGが多く行われるようになり,MMGの石灰化だけで要精検となる症例も増加している。乳房エコーでも所見が得られないような症例に対しては,MMGで立体的な位置を確認しながら行うマンモトーム生検が行われている。
いずれにせよ,一昔前のように診断がつかなければ,すぐに切除生検を行うことは行われなくなっている。その理由としては,乳癌に対する乳房温存手術が標準的治療となった現在,切除生検を行ってしまうとがんの広がりを画像上推定することが困難となり,断端を正確に把握することができず,温存手術が行いにくくなるからである。
がんの確定診断がつけば,病期を確定するためにCTや骨シンチグラフィーなどを行う。ただし,早期に転移を発見しても予後は変わらないことが判明してきたことから,これらの検査は術後フォローのためにはあまり行われなくなってきた。病期が確定され手術可能であれば,切除範囲を推定するために乳房MRIを行う。MRIでは造影剤によるT1強調画像が必須である。
各々の診断機器の進歩も目覚ましいものがあるが,紙数の関係で省略する。

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