社会保障審議会医療保険部会は10月26日、患者がかかりつけ医以外を受診した場合に外来時の定額負担を求める案について議論し、多くの委員が反対した。外来時定額負担の案は、かかりつけ医の普及を目的としたもの。昨年の「骨太方針2015」と、政府が昨年閣議決定した「経済・財政再生計画改革工程表」に盛り込まれており、今年の年末までに医療保険部会として意見をまとめることになっている。
委員の中で賛成意見を述べたのは経団連の代表者のみで、その他は「かかりつけ医が疾患ごとに複数いる現状で、かかりつけ医の概念も(人によって)少しずつ違う。国民に受け入れられるとはとても思えない」(白川修二委員・健康保険組合連合会)、「患者負担を3割にした時の大議論の中で、これ以上の患者負担は求めないと法律(用語解説)で約束した。患者に定額負担を求めるのは間違っている」(松原謙二委員・日本医師会)などと反対意見が相次いだ。
このほか同日は、スイッチOTC化された医療用医薬品の保険給付率を引き下げる案についても議論した。この案も改革工程表に盛り込まれており、今年中に意見を取りまとめる予定。委員からは反対意見が出る一方、「市販類似薬の保険給付の見直しのほうが本質的な議論」(白川委員)など、医療費抑制に向けて対象の拡大を求める意見も出された。