武田鉄矢作詞、山木康世作曲による、フォークグループ海援隊の曲。アルバム「堕落編」に収録されている(レコード:ポリドール、1978年発売)(上の絵は筆者が描いたもの)
私は理学療法士として福岡市内の病院に勤務していたが、32歳のときに香川医科大学に入学した。そして、医大在学中に結婚して2人の子どもができた。卒業後、内科の医局に入局したが、思うような研修にはならず、2年後には医局を飛び出してしまった。
「40歳にもなって、家族4人。この先どうする?」そう心配してくれた恩師の紹介で、伊豆逓信病院に勤務することになった。
引っ越しの日、荷物を車に積み込み、家族で新しい病院に向かった。香川から大阪、名古屋を通り、東名高速をひたすら走った。深夜に伊豆の病院に着き、宿舎で一夜を明かした。明け方、宿舎の外に出たとき、目の前には真っ白な富士山が聳えていた。その姿を眺めながら「これから先、ここでうまくやっていけるのだろうか……」私は複雑な思いで胸が痛くなった。その時、懐かしいあの歌声が響いてきた。
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