シャルル・グノーが作曲した全5幕のオペラ。サー・トーマス・ビーチャム指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(1947~48)。1894年11月24日に日本で最初に上演されたオペラでもあることから、11月24日はオペラの日となっている(Preiser Record 90335 P1998)
指揮者はビーチャム製薬の御曹司。その末裔企業は世界ランキング6位に成長している。彼は音楽の専門教育を受けていない。莫大な財産を投じて、自前のオペラ団、管弦楽団を結成、趣味の延長でキャリアを積んだ。1950年前後には、英国の指揮者として最高位に上りつめた。
ビーチャムは1946年にロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を創設し、その直後に録音したのが本盤である。ゲーテの『ファウスト』第一部をもとにして、全曲が珠玉の旋律で綴られている。ストーリー展開は劇的で明快、ドイツ初演時にはゲーテへの冒瀆と非難された。ビーチャムはこのような曲で本領を発揮する。プッチーニの「ラ・ボエーム」とともに、後世に残された金持ち道楽の極致と言えよう。
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