日本慢性期医療協会の武久洋三会長は17日の会見で、早期リハビリテーションの重要性やリハビリの目指すべき方向性などを盛り込んだ提言「日本の寝たきりを半分にしよう」を公表した。
武久会長はかねて、日本に寝たきりが多い理由として急性期病院で十分なリハビリが行われていないケースがあることを指摘。「寝たきりは主に急性期医療の治療中と治療後の継続入院中に作られる」との考えから、「会長任期の集大成」として提言をまとめた。
提言は10カ条からなる(表)。武久会長は「寝たきりにしないためには急性期から1日9~15単位の集中的なリハが必要」と強調。早期リハの重要性やリハ環境の整備された後方病院への早期移行などに加え、超高齢者に対しては自立歩行ではなく車椅子での自立として“座りきり”も視野に入れる必要があることなどを盛り込んだ。その上で、10カ条の実効性を高めるためには、診療報酬では一般病棟のリハビリが出来高である点が課題と指摘。「患者の状態に合わせた柔軟なリハビリを可能とするためには包括化が必要」との考えを示した。