人工呼吸器や喀痰吸引などの医療的ケアを必要とする小児(医療的ケア児)について実態調査を行っている厚生労働科学研究班の奈倉道明氏(埼玉医大総合医療センター)は13日、自治体担当者が集まる合同会議で、医療的ケア児の全国総数が1万7000人に上るとの調査結果を報告した。
奈倉氏らは、厚生労働省の「社会医療診療行為別調査」から、2005~15年度に全国で算定された在宅療養指導管理料のうち、小児在宅医療で算定される「在宅自己腹膜灌流指導管理料」など20項目の点数の算定件数を抽出。その合計を医療的ケア児の数とし、総数の推計(表)を行った。
その結果、2015年度における医療的ケア児の数は1万7078人で、05年度(9403人)から大きく増加。在宅人工呼吸を要する患者数は3069人で、05年度(264人)と比べて約12倍に急増していた。奈倉氏は「医療的ケア児の約2割が人工呼吸器を使用している計算になる。4歳までに人工呼吸器を使用し始め、成長しても離れられない患者が増加傾向にある」と述べた。