ヒルクレストは1947年にラ・バーン市民とブレスレン教会が協力して退職者ホームをつくったことに始まります。当初6.5エーカーの敷地に10軒の家と教会が建てられましたが、市の人口増加とともに介護の需要が増加し、今では50エーカー(後楽園球場の約16倍)の敷地に約400人が暮らしています。今も教会関係者が運営に協力しています。ラ・バーン大学が近くにあるため、同校のプログラムを聴講できるという魅力もあります(写真1)。
私たちが訪問したときの全入居者数は、インディペンデント・リビング230人、アシスティド・リビング75人、メモリー・ケア24人、ナーシング・ホーム73人の計402人でした。年齢は62~105歳、平均82歳です。
料金は部屋の数やガレージの有無などで異なりますが、入居一時金は20万~45万ドルで、月額利用料は2200ドルです。多くは私費保険である長期介護保険*1の利用者です。この施設では、長生きして月額利用料を払えなくなった場合も、ボランティア活動による基金があるため、入居者は退去せずにすみます。
案内してくれたマーケティング担当のHaydenさんの話では、入居を希望する人はインディペンデント・リビングやアシスティド・リビングは見学しますが、メモリー・ケアやナーシンング・ホームは見たくないと言うそうです。
入居後は全員にPOLST*2作成を勧めます。初めは多くの人がPOLST作成を拒みますが、書いておかないと急に倒れたときに望まない医療が行われることを説明すると、ほぼ全員がPOLSTを作成するそうです。ほとんどの人は終身介護退職者コミュニティ(CCRC)で亡くなりますが、入居者がどこで亡くなるかはPOLST次第です。心臓発作が起きたときに病院に運ばれ、そこで亡くなる人もいれば、病院に行かずにCCRCで亡くなる人もいます。
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