DeNAが運営する医療系まとめサイト「WELQ(ウェルク)」が不適切な情報を大量発信していたことが発覚し、インターネットでの医療情報発信のあり方が改めて問われる中、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)専門家の辻正浩氏(so.la代表取締役)が12月17日、都内で開かれたセミナーで講演し、「(グーグルなどの)検索エンジンが進化しても、誤った医療情報は検索結果に出続ける」と注意を促した。
辻氏は、「一連の騒動でWELQが検索結果から落ちた結果、信頼できるサイトが上がったのならいいが、一番おいしい思いをしているのは(WELQと同じまとめサイトの)『NAVERまとめ』。全然問題は解決していない」と指摘。不適切な医療情報による健康被害を防ぐには「検索エンジンの進化を待つだけではなく、情報を求める側への啓蒙とより良い情報発信が必要だ」として、学会など専門家集団の取り組みへの期待を表明した。 その上で、「日本小児科学会の『こどもの救急』などは本当に素晴らしいサイトだが知らない人が多いのではないか。どんなに素晴らしいサイトを作っても、知られていない限りは存在しないことになる」「医師は患者側が使う言葉を使っていない。例えばがんについては『がん 完治』という検索が非常に多いが、まっとうなサイトはそういう言葉を使わない。その結果あやしいサイトに全部かっさらわれてしまう」と述べ、検索されやすいサイトを構築するための「言葉のレベルの工夫」を求めた。