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18年度改定に向け在宅医療の議論スタート─「中川氏「在宅専門クリニックの見直しを」」【どうなる?診療報酬改定】

No.4839 (2017年01月21日発行) P.10

登録日: 2017-01-12

最終更新日: 2017-01-19

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  • 2018年度診療報酬改定に向け在宅医療を巡る議論がスタートした。在宅医療の質と量、効率性を確保した上で、①多様化する患者ニーズに応えることができるような新たなサービス提供、②地域の状況や患者の個々の状態、医療内容、住まい・住まい方などを踏まえた評価─のあり方が課題となる。

    11日の中央社会保険医療協議会(田辺国昭会長)では、厚生労働省が在宅医療の現状を説明。在宅医療の提供体制について、①日常的な訪問診療に対応する診療所は約20%、②在宅療養支援診療所(在支診)の届出機関は概ね増加から横ばい、③在支診の訪問診療患者数は「1~9人」が最も多い一方、「100人以上」も一定数ある、④在支診でもすべての在宅医療サービスを提供しているとは限らない─ことなどが明らかとなった。今後、在支診の機能強化や一般診療所の取り組みの推進に向けた検討が行われる見込みだ。

    ■松原委員「複数機関での訪問診療料の算定可能に」

    中川俊男委員(日本医師会、写真奥)は、在支診の届出機関数が「頭打ち」の一方、在宅患者訪問診療の算定件数が増加している点に触れ、16年度改定で正式に開設が認められた在宅医療専門診療所(用語解説)の存在を問題視。「大切なのは地域の医師会の協力を得るという要件。この隙間を突いたクリニックが跋扈している状況があるとすれば、次の改定で見直す必要がある」と訴えた。

    現場からの声として問題点を指摘したのは松原謙二委員(日医)。1人の患者に対する訪問診療料が1カ所の医療機関でしか算定できないことに言及し、「患者に褥瘡やバルーンカテーテルへの対応が必要になった場合、専門科と連携することがよくあるが、(算定できないことで)一人医師の診療所が在宅に積極的に取り組めないハードルになっている」と改善を求めた。

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