ある日、救急隊から下痢が続くという高齢者の受け入れ要請があった。胃腸炎かな?と気軽に患者さんを受け入れた。検査の結果、炎症反応の上昇以外に、腎機能障害、細菌尿、蛋白尿を認めた。腸炎、尿路感染症を疑って培養検査などを施行し、補液、抗菌薬投与にて治療を開始したものの下痢が遷延したため、上・下部内視鏡検査を施行した。上部内視鏡検査では胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)の疑い、下部内視鏡検査では放射線性腸炎の疑い(子宮体癌放射線治療の既往あり。写真上)で、大腸から生検を施行したところ、生検結果はAA蛋白による続発性アミロイドーシスであった。これで遷延する下痢の原因はわかった。しかし、治療は?原疾患として考えられる関節リウマチや結核は、精査の結果、否定的であった。そうこうする間に2回腸閉塞状態に陥り、症状は悪化傾向で何度も時間外に病院に呼び出された。
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