日本医業経営コンサルタント協会は16日に会見を開き、法人財産を持分割合に応じて出資者へ配分できる持分あり医療法人の医業承継税制として、新たな納税猶予・免税制度を「早急に創設すべき」とする提言を発表した。
2007年の第5次改正医療法の施行以降、厚生労働省は持分あり医療法人の「持分なし」への移行を促進しているが、昨年3月末現在、「持分あり」は医療法人総数の78.1%を占める。
この実態を踏まえ提言では、持分あり医療法人の医業承継時にかかる相続税・贈与税について、新たな納税猶予・免税制度の創設を要望。非上場株式等についての承継税制と同等以上の措置内容とするよう求めている。
同協会税制専門分科会の青木恵一委員長(写真右)は、「持分とは私有財産。(第5次医療法改正時に)全体の98%を占めていた『持分あり』が20%しか減っていないのは、それだけ(持分を)持ち続けたいという経営者が多いということ。ここも手当てしないと現実的ではない」と強調した。
一方、今国会に提出予定の医療法改正案で移行要件の緩和と延長が盛り込まれた認定医療法人制度(用語解説)については、制度の恒久化を求めた上で、「持分なし」への移行期限を現行の「3年を超えない範囲」から「5年を超えない範囲」とすべきとしている。