同名の第10回(2013年)本屋大賞受賞作品を映画化した作品。映画は2016年公開。画像は書籍『海賊とよばれた男』上巻(百田尚樹著、講談社、2012年刊)
百田尚樹氏の小説の映画化である。勇敢に、必死で、創意工夫で乗り越え、経営が困難な時期にも1人も解雇せずに耐えて、社員とともに未来を切り開いた男のドラマである。日本が貧しく厳しかった時代に、日本の石油産業の独立のために戦った出光興産の出光佐三氏をモデルにした物語である。
筆者が子どもの頃に「日章丸」というタンカーの写真が、雑誌のグラビアを飾っていたことを思い出す。なぜタンカーが、との漠然とした疑問が子ども心に残っていた。その、筆者の疑問に答えてくれた、日本の歴史に記されるべきドラマであった。
これからの世界は石油が主役になるとの確信のもとに、零細企業の国岡商店は石油販売に乗り出したが、閉鎖的な業界に受け入れられず、海の上で船に直接売るという奇策を見出した。この激しさから、人々は彼らを「海賊」と呼んだのであった。
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