日本病院団体協議会は2月24日の代表者会議終了後に会見を開き、神野正博議長(写真)が次期2018年度診療報酬改定の外来医療における論点の1つとなる遠隔診療について、「絶対にノーというわけではない。ケースバイケース」との考えを示した。
遠隔診療を巡っては、昨年12月に開かれた政府の未来投資会議で塩崎恭久厚生労働相が「エビデンスを収集した上で18年度診療報酬改定での対応を検討」との方針を打ち出している。現行の診療報酬制度では、医師対医師の病理・画像診断や、医師対患者の電話等による再診が認められているが、神野氏は代表者会議の意見として、「過疎地における医療や在宅医療、医師対医師のピアレビュー・コンサルティングなどについては、何らかの診療報酬をつけていく方向で検討を進めるべきということになった」と述べた。
遠隔診療が議題に上った2月8日の中央社会保険医療協議会総会では、診療側の中川俊男委員(日本医師会)が塩崎厚労相の発言を「あまりに拙速」と牽制。改定を巡る議論の前提とすべきではないと訴えた。この発言を踏まえ神野氏は、日病協のスタンスを「日医の主張よりは少し緩やか」と説明し、同じ医療提供側でも見解に相違があることを明らかにした。