厚生労働省の「医療放射線の適正管理に関する検討会」(座長=米倉義晴福井大名誉教授)が19日に初会合を開いた。放射線診療機器が急速に進歩し、新たな放射性医薬品を用いた核医学治療が国内導入されていることを踏まえ、放射線管理に関する医療法の関連省令・通知の改正も視野に、医療放射線の管理基準を検討する。
厚労省は主な検討事項として、①新たなカテゴリーの放射性医薬品や技術への対応、②放射性医薬品を投与された患者の退出基準等、③適正な医療被ばくの管理のあり方、④診療用放射性同位元素の適正管理、⑤放射線を用いる医療機器の保守管理─などを挙げている。
会合で厚労省は、適正な医療被ばくの管理について、「現状では患者の被ばく線量はあまり気にされていない」との認識を示し、「さまざまな国際的な基準を参考に議論できればよい」と委員に要請した。
米倉座長は、「医療被ばくは患者の診断や治療のためのもので、線量限度は求められていない」と指摘。その上で、患者に放射線の照射を行った際の線量を登録する仕組みが諸外国では始まっていることを紹介し、「まずは記録するところから始まるのではないか」と話した。