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(55)どっちが患者さんですか【SECTION4 実際に患者さんと接するときのポイント】[特集:これだけは押さえて欲しいルール&マナー]

No.4714 (2014年08月30日発行) P.74

山岡傳一郎 (愛媛県立中央病院 臨床研修センター長)

登録日: 2016-09-01

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  • 余裕を失った時点で,もう治療者ではない

    昨日,学会の準備で睡眠不足の研修医Aくんは,救急外来でトイレに行く時間も惜しみながら患者さんを診ている。もうヘトヘトになっているはずだが,休みたいという気持ちが出てこない。
    そんなとき「わけのわからないことを言うので精神病ではないか」と家族が思って連れてきた患者さんを診察した。昼間に受診した病院では「CTも異常ないので精神科にかかるように」と言われたそうだ。家族は検査と入院を希望している。Aくんは上級医を呼ばず,昼間に病院で出たという指示を繰り返そうとしたが,看護師から上級医に相談してみてはどうかと言われた。そこで相談し,検査をした結果は右側頭葉の広範囲梗塞であった。患者家族(心理学用語でクライエント)のほうが「治療者」であった例である。

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