(高知県 F)
2008年にインフルエンザ桿菌(Hib),2010年春から小児用の結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7),ヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)が認可され,暫定的に定期接種に組み込まれてきました。多くの外国製のワクチンが導入され,Hib,PCV,HPVワクチンは2013年から定期接種に組み込まれました。HPV以外は乳幼児が対象となり,生後2カ月からの接種となります。
2011年3月にはDPT(ジフテリア・百日咳・破傷風),Hib,PCV7を含めた同時接種後の死亡例が報告され,一時中断されました。しかし,その頻度は外国の報告と差がないことから,再開されました。DPT/IPV(DPT/不活化ポリオ)4混,Hib,PCV7以外にも,2016年からはB型肝炎ワクチンも定期接種となりロタウイルスワクチンも任意接種のワクチンとして使用できるようになりました。過密なスケジュールの中で医師が必要と認めた場合には,同時接種も可能となりました1)。
DPT/IPV4混,Hib,PCV7,B型肝炎ワクチンは不活化ワクチンで,接種後に局所で炎症反応を惹起することで獲得免疫を誘導します。接種1週後までは免疫系のマーカーが変動しています。ロタウイルスワクチン,BCG,MR(麻疹・風疹),水痘,ムンプスワクチンは生ワクチンで,生体内で増殖し免疫応答を誘導することになります。ロタウイルスワクチンは経口ワクチンで免疫の場が腸管であることから,他の不活化ワクチンとの同時接種も問題はないと思われます。
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