来年4月に始まる新専門医制度に関して、大病院中心の研修が行われると危惧する声や、多様なキャリア形成が制約されるとの懸念が根強いことを踏まえ、厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」は5月25日、日本内科学会からヒアリングを行った。
内科学会認定医制度審議会の宮崎俊一副会長は、新内科専門医へ移行するに当たり、地域医療と専攻医のキャリア形成に配慮した点を報告した。
地域医療への配慮に関して宮崎氏は、専門研修の修了要件(表)を見直し、研修基幹施設の条件を緩和した上で、全国の施設に手挙げを促した結果、基幹施設と連携施設の総数が現行の2.4倍(2937施設)に増加したと説明。基幹施設のうち8割を市中病院が占め、200床未満の施設は1591施設増えて1723施設となり、全ての2次医療圏で研修施設が充足されたとした。
専攻医のキャリア形成への配慮については、研修状況を可視化する「専攻医登録評価システム」(J-OSLER)によって「研修の中断・再開・更新が容易になる」と強調。プログラム内に設定可能な研修コースとしては、①内科研修を行った後にサブスペシャルティ研修を専攻する「内科標準タイプ」、②内科研修中にサブスペ研修に比重を置く期間を設ける「サブスペ重点タイプ」、③最短4年で内科研修とサブスペ研修の両方を修了する「内科・サブスペ混合タイプ」─などを例示した。
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