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周期性嘔吐症候群(CVS)に対するバルプロ酸の使用等【器質的疾患を除外し,血中濃度を見ながら2カ月以上継続し効果を判定】

No.4858 (2017年06月03日発行) P.58

松井 潔 (神奈川県立こども医療センター総合診療科科長)

疋田敏之 (ひきた小児科クリニック院長/帝京大学医学部小児科非常勤臨床研究員)

登録日: 2017-06-01

最終更新日: 2017-05-30

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  • 周期性嘔吐症候群(cyclic vomiting syndrome:CVS)は,小児科でよく経験する疾患で,中には発作を頻回に起こすため予防内服が必要になることがあります。片頭痛に準じた治療を行うことも多く,バルプロ酸が劇的に効くこともあります。CVSの救急外来での治療や抗てんかん薬,片頭痛治療薬等の使用について,エキスパートの使い方のノウハウを具体的に。ひきた小児科クリニック・疋田敏之先生にお願いします。

    【質問者】

    松井 潔 神奈川県立こども医療センター総合診療科科長


    【回答】

    CVSは,「国際頭痛分類 第3版beta版」の片頭痛に関連する周期性症候群の下位項目に「周期性嘔吐症候群」として分類されています。CVSの軽症例では,経過観察か発作時に治療をするのみでよいと思います。しかし,発作を頻回に起こす症例では,予防内服が必要になります。

    CVSの予防薬としては,アミトリプチリン,シプロヘプタジン,プロプラノロール,フェノバルビタールなどがあります。バルプロ酸は,成人の片頭痛に有効でCVSでも有効です。CVSにバルプロ酸を使いはじめたのは,バルプロ酸が片頭痛に有効であったためではありません。私たちは,様々な抗てんかん薬が無効でバルプロ酸が有効なCVS例を経験しました。このため,他のCVSの症例にバルプロ酸を試したところ有効な症例が多く,バルプロ酸を予防薬のひとつとして使用するようになりました。

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