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金剛石も磨かずば(その2)─教科書に「写経」?[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(155)]

No.4861 (2017年06月24日発行) P.72

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2017-06-24

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  • テキストに使っている“Basic Pathology”が、講義期間中に改版されることになった。改版されるとプリントの作り直しにえらい手間がかかるんで、やめてほしいんやけど、まぁ、しゃあない。それはいいとして、学生が、第9版、10版どちらを購入しても不公平にならないよう頭を悩ませた。結局、期間の真ん中くらいのタイミングで、プリントも版を切り替えることにした。

    それでも、多少は学生に不便を強いることになるだろう。なので、すこしは楽になるようにと配慮した。例年、論述試験だけ教科書持ち込み可にしているところを、穴埋め問題も持ち込み可にすることにした。

    英語の教科書に親しんでもらうのがいちばんの目的なので、何を書き込もうが自由。ただし、コピーなどの挟み込みは不正行為とみなす、というルールである。よかれと思ってやったことが徒に、というのはよくあることだが、これがまさにそうなった。

    英語とはいえ、教科書を見れば答えが書いてある。講義プリントを元に、ざっとでもいいから試験範囲を通読し、重要そうなところにマークして単語の訳を書いてくるだろう、と思っていた。ところが、試験監督をしながら、多くの学生の教科書への書き込みを見て、我が目を疑った。

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