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金剛石も磨かずば(その3)─学問に王道なし[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(156)]

No.4862 (2017年07月01日発行) P.73

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2017-06-30

最終更新日: 2017-06-27

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  • 口幅ったい言い方だが、我らが大阪大学医学部医学科は、入学試験の偏差値において74とかいう上位校である。その難関を突破した受験戦争歴戦の勇士たちなのであるが、悲しいかな、その多くは勉強の方法論が全くわかっておらんとしか思えない。

    8割以上が中高一貫校の出身者だ。10歳になるかならんかくらいの年頃から、塾の指導を受けて、しっかり素直に勉強してきたのだろう。しかし、そのやり方は、誰かの言いなりでしかなかったようだ。そのツケが大きくまわってきて、こういう条件でこういう試験をします、と言われても、まともに対応できない。情けなさすぎる。

    あまりのことに、思わず「つぶやき」にあるようにツイッターでつぶやいた。みなさんも驚かれたのか、なんと2500回以上もリツイートされた。あわわ、阪大医学部の恥やないの、それって…。まぁ、書いてる内容は現実なんやから、仕方がないけど。

    学生の試験成績と、試験に対するアンケート結果を照らし合わせてみると、合格するための条件がおぼろげにわかってきた。ひとつは、ある程度以上の勉強時間である。至極あたりまえのことだが、勉強時間不足の学生には不合格者が多い。例外もあるが、およそ60~80時間が必要だったようだ。

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