「画像に写っていないだけで、3カ月後には100個になっているかもしれません。今、全部焼灼しても、何も意味がない行為になるかもしれませんよ」。MR上、大腸癌の肝転移巣を13個認めた患者の前で、私は困惑した顔で話をした。前年、大腸癌と同時に肝転移巣も切除された患者は、標準治療である化学療法を受けていたが、CEA値が漸増していた。
「それでも、先生やってください。この病院では開腹しないで治療できるんでしょ。もう、抗癌剤は嫌です。やってみないとわかんないでしょ、先生!」「うーん……じゃあ、やってみますか」。ちょっと押し切られたような感じだが、現在標準化された肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法も、1999年当時は「エビデンスなし」から始まったことを思い出した。結局、この患者の13個すべての転移巣を焼灼して、CEAは99ng/dLから32ng/dLまで一時低下したものの、4カ月後には129ng/dLまで上昇した。
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