(埼玉県 I)
金属などの良導体は,あらゆる箇所で電位差がゼロの等電位状態を保とうとする性質があります。導体に電気(正しくは電荷と言う)が流入しようとすると,同符号の電荷同士は反発して導体内部には存在できないため,導体表面に等分配されながら電流として流れることになります。この性質は,英国のマイケル・ファラデーが発見し,「ファラデーシールド」または「ファラデーケージ」として電磁波遮蔽に応用されています1)。
タイヤを雷電流が通過する際,ゴムは不導体であるため,内部に侵入するよりもタイヤ表面を経由するほうが,はるかに放電抵抗が小さく,タイヤの沿面放電によって大地に放流されます。ちなみに乗用車等のタイヤゴムは,接地面には他の部分よりもやや導電性を持たせてありますので,車内で発生した帯電電荷が緩やかに放出されます。図1にタイヤ接地面とホイール金属間の抵抗測定例と測定結果(67MΩ)とを一例として示しています。
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