北米放射線学会が中心となって,画像に関連するバイオマーカーに関して,感度が高い,特異度が高い,予後と関連している,といった従来の評価法に加えて,再現性(repeatability・reproducibility)の高さも重要要素と考え,再現性の高い画像バイオマーカーを確立していこうとする方向性が打ち出された1)2)。画像に関連するパラメータの信頼性が厳しく問われるわけであるが,臨床医学において画像診断が重要になったことの裏返しでもある。
National Institute of Biomedical Imaging and Bioengineering(NIHの下部組織)からの資金援助のもとに,2007年に北米放射線学会はQuantitative Imaging Biomarkers Alliance®(QIBA®)を立ち上げ,この問題でイニシアチブを取って,標準化しようとしている3)。わが国の関与が薄いのが気にはなるが,方向性は正しいので日本の研究者も積極的にこの考え方を取り入れ,画像診断の地位向上に努力することが得策と言えるのではないか。
【文献】
1) Kessler LG, et al:Stat Methods Med Res. 2015; 24(1):9-26.
2) Raunig DL, et al:Stat Methods Med Res. 2015; 24(1):27-67.
3) Radiological Society of North America: Quantitative Imaging Biomarkers AllianceⓇ(QIBAⓇ). [https://www.rsna.org/QIBA/]
【解説】
畠中正光 札幌医科大学放射線診断学教授