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我、氷島を往く(その1)─ロイガヴェーグルにはすべてがあった[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(164)]

No.4870 (2017年08月26日発行) P.71

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2017-08-26

最終更新日: 2017-08-22

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  • 今年の夏期休暇は氷島へ行ってきた。どこやそれは、と思われる人がほとんどだろう。氷島=アイスランドだ。ご存じ、欧州の彼方にある火山と氷河の国である。主たる目的はLaugavegurを3泊4日で歩くハイキング。ロイガヴェーグルと読むのだが、氷島の地名はどれもえらく覚えにくい。

    去年行ったインカトレイルに比べると全くの無名であるが、ナショナルジオグラフィック誌の世界ベストハイキングコースの一つに選ばれている。理由は行ってみてわかった。何しろ、景色が素晴らしい。

    山といっても、せいぜい1000メートルちょっとで、これといった有名なものがある訳でもない。しかし、4日間で54キロを歩く間に、川、湖、火山、渓谷、滝、雪渓、氷河、温泉など、山らしいパーツのすべてがそろっている。いわば地球の活動を肌で感じとることができるコースである。

    峠を越えるごとに、これまでに見たことのない風景が次々と現れてくる。美しすぎる景色が展開され続けることに、思わず笑いがこみあげてきてしまったほどだ。

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