厚生労働省は23日、「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」(座長=西田俊朗国立がん研究センター中央病院長)の初会合で、がん診療連携拠点病院の指定要件に「医療安全」などを追加することを提案した。今年度内に指定要件を取りまとめ、来年度以降の拠点病院の整備指針に反映する。
厚労省は、拠点病院の指定要件に新たに追加すべき項目として、①医療安全、②支持療法、第三者による医療機関の評価や拠点病院間の定期的な実地調査―などを提示。緩和ケア外来患者数や緩和ケアチームの介入患者数など、緩和ケアの実績に関する項目も要件に含める方向で検討するよう促した。
現行の診療実績関連の要件(表)については、数値とカウント方法の再検討を求め、相談支援センターの業務内容や診療従事者の配置も見直すべきとした。
若尾文彦委員(国立がん研究センター)は「拠点病院の候補として県が推薦した施設で、科学的根拠のない免疫細胞療法が行われている事例があった」と述べ、そうした治療を拠点病院で提供することの是非を審議すべきと指摘。安藤雄一委員(名古屋大病院)は「要件が積み上がる一方なので、現場にとっては書類の作成だけで大きな負担になっている」として、医療安全を確保しつつ要件を簡素化していく方向での検討を求めた。