厚生労働省は9月27日、臨床研修に関わる医師偏在対策として、地域枠学生の選考を一般の研修医マッチングとは分けて実施する案を医道審議会医師分科会医師臨床研修部会に提示した。同省は医師偏在対策を年内に取りまとめる。
医師偏在対策の議論は現在、同省の医師需給分科会で進んでいる。このうち臨床研修に関わる対策については、医師臨床研修部会で審議する。
厚労省が同日示した医師偏在対策案(表)の1つが、地域枠の医師や地元の出身者等を対象とした選考を一般の研修医マッチング(用語解説)とは分けて実施する案。
現行のマッチングシステムでは、地域枠や地元出身者とそれ以外の学生が同時にマッチングを実施している。このため厚労省は、地域枠の学生が年々増加している状況を踏まえると、地域枠の学生が今後、診療義務が課せられた地域の希望病院にマッチできなくなる可能性を指摘。さらに、出身地や大学所在地と異なる都道府県で臨床研修を行うと出身地や大学所在地への定着率が大きく低下するとのデータが明らかになっていることを説明した。
残り582文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する